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感染症対策・衛生管理を守るクリーンケアシステムの考え方とは?詳しくご紹介

感染症対策・衛生管理を守るクリーンケアシステムの考え方とは?詳しくご紹介

感染症の多い現在にあって、医療現場や高齢者福祉施設などでの衛生管理の重要性は、非常に高くなっています。とくに、清掃に関しての考え方や技術が見直されています。その中で注目され、採用されているのが「クリーンケアシステム」です。ここでは、医療現場での取り組みを中心に、クリーンケアシステムの内容についてご紹介します。

1.医療施設などに広がるクリーンケアシステム

今、人々は感染症に対して関心が高く、敏感であり、その意識や体制を施設にも求める動きが高まっています。とくに病気に対しての抵抗力の低い方が集まる病院などの医療施設や、高齢者や乳幼児が集まる施設に関しては、徹底した衛生管理が必要です。またその体制自体で、その施設の良し悪しを判断されがちな現状もあります。そのような施設でのクリーンケアシステムの考え方についてご紹介します。

1-1.クリーンケアシステムとは

施設によっては、徹底した感染防止を行うことの必要性の高いところがあります。医療施設、高齢者や乳幼児の集まる施設などが該当するでしょう。感染症に対しての抵抗力が弱い人のための施設は、感染症対策のシステムが十分に働いていなければなりません。

ただ施設をきれいにするというだけではありません。施設においては、科学的根拠をもとに施設内での感染を食い止め、清潔さや快適さを作り出す体制が求められます。これを「クリーンケアシステム」と呼びます。

1-2.CDCガイドラインとクリーンケアシステム

クリーンケアシステムを実現していくうえで土台となるのが、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)で定められたガイドラインです。

CDCとは、国内外における人々の健康と安全の保護について主導することを目的とする、アメリカの連邦組織です。CDCの目的は、「疾病・傷害・および障害の防止と管理により、健康と生活の質の向上を図ること」とあります。健康についてのさまざまな情報における信頼性の検証や、国内外への情報提供の働きを担っています。CDCは、最近さまざまな感染症についての対策についてニュースで紹介され、耳にすることが多いでしょう。

日本の厚生労働省が、「介護現場における感染対策の手引き」においてCDCガイドラインの「標準予防策」を示してから、国内においてもそれに則った制度が作られ、他の施設でも適用され今に至ります。

1-3.医療現場とCDCガイドライン

2022年2月発行の日医雑誌第127巻第3号に、福岡大学医学部講師である向野賢治氏が、「院内感染の標準的予防策」という原稿を投稿しています。そこには、CDCのガイドラインを受け、日本の医療現場での理想的な予防策について述べられています。

CDCのガイドラインは、「標準予防策」と「感染経路別予防策」という2つの予防策について示しています。それをもとに、さまざまな感染症に対してのこまごまとした対応についてまとめられています。

標準予防策においては、感染者との接触に対する対応について言及されています。感染経路別予防については、感染の要因である「感染源患者」、「感染経路」、「感受性患者」の三者のうち、感染経路を最重要として、それを遮断する方法について打ち立てられているのです。それをさらに掘り下げ、「空気予防策」「飛沫予防策」「接触予防策」の3つの側面から感染経路を絶つことが示されています。

そしてその策をベースとしてシステムを構築し、さらに設備や用具により衛生面を推進させることで、クリーンケアシステムが成り立つことを向野氏は提唱しています。

2.ゾーニングを生かした徹底した清掃

施設内で病気の感染を起こさないためには、もちろん必要な場所の殺菌・消毒作業も必要ですが、同時に徹底された清掃も重要です。その一つの方法として「ゾーニング」という考えに基づいた清掃法があります。ゾーニングとはどのような考え方なのか、医療の現場ではどのように生かしているかについて次に解説します。

平成27年度に、「院内清掃ガイドライン」が発表され、医療機関における衛生保持のための基準が発表されました。これは、医療法第20条において示されている「病院等の医療機関について清潔を保持すること」という医療施設の業務上の義務について、その「清潔さ」の基準が施設によってばらつきがあったという現状を受けての事でした。

「院内清掃ガイドライン」で最初に挙げられた概念が、「ゾーニング」です。医療施設の中には、徹底された清潔度を維持することが求められる手術室や、汚染されたものを管理する場所などが、混在しているのが通常でしょう。そこで、それぞれの目的の場所ごとに清潔にするレベルを設定し、それぞれの「ゾーン」の環境の管理をしようという考え方が「ゾーニング」です。

ガイドラインでは、施設内のそれぞれの部屋を洗浄度クラスⅠからVに振り分け、衛生管理の細かなラインを設定しています。具体的には換気の頻度・室内圧・給気最終フィルタの効率などを数字で設定し、管理しやすくしています。

さらに、それぞれのエリアを色で表すという工夫もしています。青は清潔エリア(清浄度クラスⅠ・Ⅱ)、緑は通常医療エリア(清浄度クラスⅢ・Ⅳ)、白は一般エリア、黄色および赤は汚染拡散防止エリア(清浄度クラスⅤ)とされています。その色は清掃道具に反映させ、その場所に最も適した効果的な清掃道具を使うようにしているのです。またその使い分けは、道具によって感染源を広めないための方法でもあるのでしょう。

3.まとめ

今世の中で感染症の予防や衛生管理への関心が非常に高い中、医療施設をはじめとする各施設は、徹底した管理体制を組みつつ業務に当たらなければ、人々に認められない状態にあります。そこで基礎となるのがクリーンケアシステムです。これは、その施設が、より安心して利用ができる証にもなります。

「株式会社マコトサービス」では、クリーンケアシステムを実施するためのあらゆる技術と知識によって、さまざまな施設が安心して利用されるような環境づくりをお手伝いしております。そのような体制つくりを検討されている施設の方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。誠心誠意ご要望にお応えいたします。