2023年04月07日

クリーンルームの清浄度を示す規格や環境モニタリングとは?詳しくご紹介

クリーンルームの清浄度を示す規格や環境モニタリングとは?詳しくご紹介

クリーンルームは一定の清浄度が保たれた清潔な部屋です。清浄度が保たれているかどうかの基準として、「規格」や「クラス」が設けられています。また、それらをクリアできているかの確認方法として環境モニタリングという手段も存在しているのです。しかし、一般的にはあまり知られていないでしょう。そこで今回は、クリーンルームの清浄度を示す規格や環境モニタリングについてご紹介いたします。ぜひ参考にしてください。

1.クリーンルームの規格とは

空間がクリーンルームとして定義されるためには、室内の清浄度が決め手となっています。その清浄度の基準となるものが「規格」です。待機中には目に見える塵埃から見えない微粒子まで、さまざまなものが漂っています。クリーンルームとして安心して使用できるボーダーラインが規格として定められているのです。

代表的な企画としては、以下が挙げられます。

1-1.国際規格

まずは「国際規格」です。現在国際規格として定められているのは、「ISO14644-1」となります。全世界に汎用的に適用される基準値となりますので、世界共通のボーダーラインです。つまり、どの国においてもクリーンルームとして認められる基準がこの国際規格のため、最も信頼できる基準と言ってもいいでしょう。ただし、日本においては国際規格が最も普及しているわけではありません。

1-2.米国連邦規格

米国連邦規格というのは、米国連邦機関が定めている企画のことです。つまり、あくまでも米国において適用されることになる基準となります。米国のクリーンルームにおいては基準としても問題がないものですが、それ以外の国においては企画として有効にはなりません。規格の詳細についても、国際規格とは若干の違いがあります。歴史的な背景により、日本では米国連邦規格が最も普及しています。

1-3.米国航空宇宙局(NASA)規格

米国連邦規格と並び日本で広く普及しているのが、米国航空宇宙局規格です。他の規格に比べると細かくクラスが設定されているというのが特徴となります。クリーンルームの規格とNASAにどのような関係があるのか疑問に思う方もいるでしょう。それは、NASAのアポロ計画や半導体の高密度化によってクリーンルームが飛躍的な発展を遂げたことに起因しています。つまり、NASAによる過去の功績がなければ、クリーンルームはいまほどの発展を遂げていなかったかもしれないということです。

2.クリーンルームの清浄度を表す規格内の「クラス」

クリーンルームの清浄度を示す「クラス」というものが存在しています。規格ごとにそれぞれレベル分けされており、クリーンルームには求められる清浄度が異なるケースがあります。たとえば通常の室内よりも少しだけ清浄であれば問題がない場合をはじめ、半導体工場のように目に見えないほどの微粒子ですら致命的な影響を与えてしまうケースなどさまざまです。工場によって基準値がバラバラでは品質にまで影響してしまうため、統一の基準によって清浄度を担保するためにクラスが設けられました。

基本的なクラスの基準値としては以下のとおりです。

  • 半導体工場の場合、クラスは1〜100
  • 電子部品などの精密工場の場合、クラスは100〜10,000
  • 食品や薬品工場の場合、クラスは100〜100,000
  • 手術室や治療室、自動車部品工場の場合、クラスは1,000〜100,000

クラスが分かれる基準としては、単位容積ごとの空気に含まれている微粒子の数となります。たとえば、1立方メートルの空気の中に、粒径が0.1μm の粒子が1,000個含まれていた場合はクラス3で、10,000個含まれていた場合はクラス4となります。企画によってクラスの分け方や細かさには違いがありますが、唯一共通しているのは「清浄度が高くなるほどクラスは小さくなる」という点です。

3.クリーンルームが規格内かチェックする「環境モニタリング」

クリーンルームのクラスを確かめる方法として、「環境モニタリング」が存在します。環境モニタリングでは、以下の内容について確認します。

3-1.表面付着菌

まずは表面付着菌です。クリーンルーム内の床や壁、その他室内に設置されている機器等の表面に付着している菌をチェックします。

3-2.作業者

2つ目は作業者です。クリーンルーム内で実際に作業する際に使用する作業服や手袋などをチェックします。

3-3.空中浮遊菌など

最後に空中浮遊菌です。クリーンルーム内部や清浄区域の空気中に浮遊している菌のことです。

4.まとめ

クリーンルームはさまざまな規格内の基準であるクラスをクリアしていることで、清浄度が保たれていることになります。決まったタイミングで環境モニタリングを実施することで、常にチェックされているのです。クリーンルームは厳しい基準をクリアしていることで、その本来の役割を果たすことができています。

「株式会社マコトサービス」は、清掃をメインで行っています。クリーンルームの清掃に関しても、環境モニタリング測定の実施によって、検査や確認の対応が可能です。クリーンルームの検査をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。