2025年05月

光触媒コーティングとは?ウイルス・カビ・臭い等への効果や施設での活用法を解説

光触媒コーティングは、科学的な仕組みに基づいて室内の清潔さを保つことができる先進的な技術です。

可視光線(※太陽光や照明の光など、人間の目で見える波長の電磁波、光)の力で有機物を分解する性質を持ち、ウイルスや細菌など目に見えない汚染物質をしっかり取り除くことが可能です。

医療現場をはじめ、ホテルやオフィスなど多様な施設で導入され、感染症の予防や空気環境の改善に役立っています。

 

近年では、可視光でも反応する光触媒の登場により、太陽光が届かない室内でも照明の光で光触媒の効果を発揮することができるようになったため、活用の幅が広がっています。より健康で快適な生活空間を求める現代において、光触媒コーティングは有力な選択肢といえるでしょう。

本記事では、光触媒コーティングの仕組みや主要効果、活用シーンについて解説します。

光触媒コーティングとは何か?仕組みと基本知識

光触媒コーティングとは、光のエネルギーを利用して有機物を分解する特殊な物質を壁や床、家具などの表面に塗布(とふ)する技術です。

主成分である酸化チタンが光を受けると化学反応を起こし、強力な酸化力を発揮し、接触した有害物質や菌、ウイルスを無害化します。

以下では、光触媒コーティングの基本的な仕組みから、従来の抗菌・消毒方法との違いまで解説します。

光触媒の仕組み

光触媒の主成分である酸化チタンは、光エネルギーを受けると表面で強力な酸化還元反応を引き起こします。

具体的には、光が当たると酸化チタンの表面で電子と正孔(電子の抜けた跡)が生成され、水分子や酸素と反応して活性酸素を作り出すのです。

活性酸素は強い酸化力を持ち、接触した有機物(ウイルス、細菌、カビ、臭い物質など)を酸化分解して二酸化炭素と水に変えます。

従来の光触媒は紫外線を必要としていましたが、可視光応答型光触媒は一般的な室内照明の光でも反応します。

 

さらに進化した「吸着性光触媒」では、アパタイト(カルシウム)で覆われた酸化チタンを使用します。

アパタイトがウイルスなどの有害物質を吸着し、酸化チタンが分解するという二段階の作用で効率を高めています。

従来の抗菌・消毒方法との違い

従来の抗菌・消毒方法と光触媒コーティングには明確な違いがあります。

アルコールや次亜塩素酸による消毒は、施工時点での一時的な効果しか得られません。毎日何度も消毒作業を繰り返す必要があり、人的コストや時間的負担が大きくなります。

対照的に光触媒コーティングは、一度施工すれば光が当たる限り継続的に効果を発揮するため、こまめな消毒作業を行わなくても、自然にウイルスや細菌を死滅させる環境を作り出せるのが大きな利点です。

また従来の抗菌剤は、特定の菌にのみ効果を示すことが多いですが、光触媒は幅広い有機物に対して効果を発揮します。

ウイルス、細菌だけでなく、カビ、臭い物質、有害化学物質まで分解できます。

光触媒コーティングがもたらす5つの主要効果

光触媒コーティングは単なる表面処理以上の多機能性を備えています。

抗菌・抗ウイルス効果から始まり、防カビ、有害物質分解、消臭、防汚(ぼうお)まで幅広い効果を発揮します。

 

特に注目すべきは、一度の施工で複数の効果を同時に得られる点です。

医療施設では感染リスク低減、ホテルでは客室の清潔維持、オフィスでは従業員の健康管理など、施設の特性に合わせた活用が可能になっています。

以下では、施設で期待される光触媒コーティングの5つの主要効果について紹介します。

抗菌・抗ウイルス効果:ウイルスや細菌を除去

最も注目すべき効果は、強力な抗菌・抗ウイルス作用です。

光触媒が生成する活性酸素は、ウイルスや細菌の細胞膜やタンパク質を破壊し、99.9%の抑制効果を発揮します。

東京大学を中心とする研究グループによれば、可視光応答型光触媒は室内照明の光だけでも感染性ウイルスを大幅に不活化させる効果があることが確認されています。新型コロナウイルスの流行以降、感染症対策の重要性が高まる中、光触媒コーティングは日常的な除菌作業の負担を軽減しながら、高い抗菌効果を維持できる画期的な方法として注目されています。

 

医療施設や介護施設など、感染リスクの高い環境では特に有効です。

新型コロナウイルスや一般細菌類に対する効果が実証されており、様々な感染症対策に貢献する可能性を持っています。

(参考資料:

防カビ効果:湿気対策とカビ防止

湿気の多い日本の気候では、カビの発生は深刻な問題です。

光触媒コーティングは防カビ効果も発揮し、浴室やキッチンなどの湿気が多い場所でカビの繁殖を抑制します。

カビの胞子が光触媒コーティング面に付着すると、活性酸素によって分解されるため、カビが繁殖する前に除去が可能です。

介護施設のお風呂場などでは、光触媒コーティング加工によって防カビ効果が得られ、掃除の手間が大幅に軽減されます。

特に梅雨時期や結露が発生しやすい冬場など、カビが発生しやすい季節でも効果を発揮します。壁紙や天井などにコーティングすることで、目に見えないカビの胞子レベルから対策が可能になります。

有害物質の分解:ホルムアルデヒドなどアレルギー物質の除去

光触媒コーティングは、室内の有害な化学物質を分解する効果も持っています。

新築やリフォーム後に発生しやすいホルムアルデヒドやトルエンなど、シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物(VOC)を分解し、健康的な室内環境を実現します。

ホルムアルデヒドは家具や建材から放出され、目や喉の痛み、頭痛、アレルギー症状などを引き起こす可能性があります。

光触媒コーティングを施すことで、放出されたホルムアルデヒドを水と二酸化炭素に分解し、無害化することが可能です。

 

また、アレルギー物質の除去効果も注目されています。

ハウスダストやダニの死骸、花粉などのアレルゲンも光触媒の酸化力によって分解されるため、アレルギー症状の緩和に役立ちます。

消臭効果:生活臭やタバコ臭を分解

光触媒コーティングの優れた特性の一つに、強力な消臭効果があります。

通常の消臭剤が臭い分子を包み込んで一時的に感じなくするのに対し、光触媒は臭いの原因となる物質自体を分解して無臭化します。

タバコのヤニや体臭、トイレ臭など様々な臭いに効果を発揮します。

 

ホテルや宿泊施設では、壁や天井、カーテンなどに付着するタバコのヤニから発生する臭いが問題になりがちです。光触媒コーティングを施すことで、臭いを分解するだけでなく、素材への臭いの吸着も抑制できます。

トイレは雑菌が繁殖しやすく悪臭が発生しやすい場所であるため、光触媒コーティングの実施が特に推奨されています。

消臭効果の恩恵を強く受けることができる場所の一つです。

防汚効果:清掃頻度削減によるコストダウン

光触媒コーティングには防汚効果もあります。表面に付着した汚れを分解するだけでなく、親水性の性質により水に溶けやすくするため、水拭きや雨などでも汚れが落ちやすくなります。

清掃の頻度や手間を減らせるため、施設管理のコスト削減につながります。

特に大規模な商業施設やオフィスビルでは、清掃コストの削減効果が大きいでしょう。

また、マコトサービスの「ウルトラフロアケア・システム」と組み合わせることで、床の転倒事故リスクを最小限に抑えながら美観を維持できるメリットもあります。

長期的な視点では、清掃頻度の最適化によるコスト削減だけでなく、施設の美観維持による価値向上にも貢献します。

光触媒コーティングの活用事例

光触媒コーティングは幅広い場所で活用されています。家庭内では、キッチンやバスルームなど湿気や細菌が気になる場所に施工されることが多いです。

一方、公共空間では不特定多数の人が接触する場所への施工が主流です。

特に医療施設では、感染リスク低減のために診察室や待合室全体に光触媒コーティングを施す例が増加しています。

以下では、施設の特性や目的に応じた活用法を紹介します。

家庭での活用:リビング、キッチン、バスルームなど

家庭内における光触媒コーティングは、日々の暮らしを清潔で快適にする強い味方となります。

リビングでは、ソファやカーテン、絨毯など布製品に施工することで、外から侵入したウイルスの除菌・抗菌効果を発揮します。

特に小さなお子さんがいる家庭では、床や壁へのコーティングにより、触れる場所全体を清潔さを保ち続けることができます。

 

キッチンは菌が繁殖しやすい場所ですが、光触媒コーティングを施すことで、調理中の油煙や食品の臭いを分解し、清潔な環境を維持できます。

食中毒の原因となるO-157や大腸菌などの細菌に対しても抗菌効果を発揮するため、食の安全性向上にも役立ちます。

バスルームやトイレは湿気が多く、カビが発生しやすい空間です。壁や天井に光触媒コーティングを施すことで、カビの胞子に対しても効果を発揮し、防カビ対策となります。また、トイレの悪臭も分解するため、消臭効果も期待できるでしょう。

オフィス・商業施設での利用:会議室、受付エリア、共有スペース

オフィスや商業施設では、多くの人が集まり接触する機会が多いため、光触媒コーティングが感染症対策として重要な役割を果たします。

会議室のテーブルや椅子、ドアノブなど頻繁に触れる場所にコーティングを施すことで、ウイルスや細菌の増殖を抑制し、従業員の健康を守ることが可能になります。

受付エリアは外部からの訪問者が最初に接触する場所です。カウンターや記入台などに光触媒コーティングを施すことで、不特定多数の人が触れても清潔さを保ち続けられます。

共有スペースやエレベーターのボタン、手すりなどは特に菌が付着しやすい場所です。

光触媒コーティングにより、常に清潔な状態を維持することで、施設内での感染拡大リスクを低減できます。

医療・福祉施設での応用:病院、クリニック、介護施設

医療・福祉施設では、感染症予防が重要事項であり、光触媒コーティングは効果的な衛生管理手段の一つとなります。病院やクリニックの待合室、診察室、病室など人が集まる場所にコーティングを施すことで、院内感染リスクの低減が期待できます。

特にノロウイルスなどの感染症が流行する季節には、予防対策として高い効果を発揮するでしょう。

 

手術室や処置室など特に衛生管理が重要な場所では、壁や床、医療機器にも光触媒コーティングを施すことで、抗菌環境の維持に貢献します。

介護施設では、入居者が集団生活を送るため感染症予防が課題となります。室内やお風呂、トイレなどに光触媒コーティングを施すことで、感染症予防だけでなく、体臭などの消臭効果も期待できます。

特にお風呂場では、光触媒コーティングによる防カビ効果で清掃の負担軽減が見込まれます。

まとめ

光触媒コーティングは、科学的根拠に基づいた優れた抗菌・抗ウイルス技術として、様々な施設で活用されています。

株式会社マコトサービス」の光触媒コーティングは、可視光線(窓からの太陽光・電灯など)で反応する屋内向けの製品であり、日光が届きにくい場所でも効果を発揮する点が特長です。

さらに、検査器具や細菌培養施設を社内に完備し、数値に基づいた清掃を実施することが可能です。

科学的なアプローチで「目に見える」汚れだけでなく、「におい」や「細菌」など目に見えない汚れにも対処し、清潔に仕上げます。

健康と安全を科学的に守るマコトサービスの光触媒コーティングで、より清潔で快適な環境づくりを実現しませんか。